台湾の妖怪―魔神仔

学生たちこんなことしてます! 2014/12/27

これは台湾からの留学生が、台湾の妖怪魔神仔(モシナ)についてレポートしたものである。

台湾の妖怪―魔神仔 K.S

一、はじめに
 今回のレポートは動物怪について書くことだが、私は台湾の留学生で「魔神仔」について書くことになった。初めて、自分の国の妖怪について研究するから、詳しく書けないかもしれないが、努力する。

二、「魔神仔」とは
 「魔神仔」は台湾語でモシンアと言います。別名は墓神仔、芒神、無神仔でもある。芒神と呼ばれているのは二つの理由があったそうだ。一つは魔神仔はよく芒(ススキ)が多い所で現れる。もう一つは昔の迎春の式から変わったものと言われる。
 民俗学者の研究では、「魔神仔」は鬼とか神とかではなく、森と山の中の妖精だと認められている。噂によると「魔神仔」は素早い動きがあって、道に迷わせる悪戯をするずんぐりとした小人で、大きい音を怖がるそうだ。
 台湾各地では、大人や子供が「魔神仔」に誘拐されたという話がいくつもある。「魔神仔」に誘拐されたら、その人の親戚と家族は、まずその地の土地神や地府の神などに祈り、爆竹を鳴らしながら人を探す。被害者は無事に帰っても、しばらく精神不振で、ご馳走をされたといって、実は石とか草とかのものを食べたという。
魔神仔001

三、事例と信仰について
 妖怪データベースで台湾を引いたら、11個の文書が見つかったが、「魔神仔」に関する文書がなかった。でも、ネットで記事や妖怪に関する本などを探してみると、いくつか似たものが出てくる。まずはネットで探した新聞記事。
「日本人男性、旅行先の台湾で行方不明。
 2日、台湾旅行ツアーに参加していた日本人男性が、旅行先で行方がわからなくなった。通報を受けた警察と消防が夜を徹して捜索しているが、まだ見つかっていないということだ。

 『聯合新聞網』が伝えたところによると、行方がわからなくなっているのは鈴木さんという男性(78歳)。3泊4日の台湾旅行ツアーに1人で参加していた。2日午前、新北市瑞芳区にある黄金博物館に参観に訪れた鈴木さんは、現地ガイドに『気分が悪いので入口で休んでいます』と伝えて団体から離れ、その後行方がわからなくなったということだ。

 博物館によれば、この日、『集合時間になっても集合場所に来ていないツアー客がいる』と現地ガイドから連絡を受けたので、日本語で館内アナウンスをかけようとしたが、現地ガイドは『このあとツアー客を時間通りにレストランに連れて行かなければならない」「見つかったら迎えに来るので連絡してほしい』と伝え、次のスケジュールに向ったという。

 ガイドが所属する現地旅行会社は、夕方になっても鈴木さんの行方がわからないままだったため警察に通報。警察と消防が捜索を開始した。黄金博物館がある金爪石黄金博物園区は、19世紀に金の採掘で栄えた金鉱山にあり、海や山の景色を楽しむことができる。救助隊は鈴木さんが景色に惹かれて歩いているうちに道に迷ってしまった可能性があるとみて、付近の山道や坑道を捜索しているということだ。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)」
 これは2013年7月の記事。唯一日本人が被害を受けた事件である。

2013年7月4日記事
 これは後日無事発見された記事がある。
2013年7月10日記事

もう一つは、『中国民話の旅』という本から、似たものが出てきた。その本の中で、「神隠し」の部分から取ったもの。
 これは過去に、竹坪村で実際に起きた話である。
「 ある年、竹坪村の小学校の先生だった私は、生徒たちを連れてロンラン(地名)へ、ワラビ摘みに行った。帰りの途中グインダィアオミール(地名)で、休憩をとった。当時、30数人の生徒がいた。みんな歌を歌ったり談笑したりしながら、楽しく過ごした。そこで少し休んでから、呼子を吹き鳴らし、生徒を集めて村へ帰った。その時、正確に人数を数えなかった。
 村に帰り、晩御飯を食べる時になって、人数を数えたら1人が足りなかった。いなくなった子は黄顕昆という生徒で、当時、学校の近くに住んでいた。私は慌てて生徒の家に行ってみた。黄顕昆の家には祖母しかいなかった。祖母に生徒が帰ってきたかと聞いたら、祖母は、「学校の公事で、先生と一緒にワラビ摘みに行って、まだ帰ってこない。」と言った。私は急いで、岩洞の中学校に通う黄顕昆の姉黄顕英に、弟のことを知らせた。姉もすぐ竹坪に帰ってきた。
 翌日、私は黄顕英と、卵やもち米ご飯、線香などを持って、山に行って供え、「黄顕昆よ、早く帰ってきて!私たちと一緒に家に帰りましょう!」と叫んだ。これは村の老人が教えてくれた方法である。(略)7日目の夜に、いなくなった黄顕昆が家に帰ってきた。手には干したワラビを1掴み持っていた。同じ小学校の年老いた先生と私は一緒に、彼を呼んで、『一体どこに行っていたの?7日間も家に帰らず、何していたの?』と聞いた。彼は、『子供たちが、僕をあるところに連れて行き、一緒に遊んだよ。本当に楽しい所だったよ』と答えた。『この数日間、何を食べたのか』と聞くと、『食べ物は彼らがくれた。魚もあるし、肉もあるし、もち米ご飯もある。今日は彼らが村の入口まで送ってきてくれて、一緒に帰ろうと誘ったら、いやだと言って、みんな帰った。それで僕一人で帰ってきたんだ。』と答えた。
 今日に至るまで、この話はずっと謎のままである。一体何が起きたんだろうか?黄顕昆はもうすでになくなったが、彼の姉はまだ健在である。」
 また、水木しげる先生の著書『水木しげるの世界妖怪事典』の中でも、いくつか似た妖怪がある。
「(1)『樫男』は妖怪の宿り木というのがある。(中略)木に棲んでいる妖怪は、そこが山であれば山の神でもあるが、たいていは、その木の下に通る旅人などに悪戯を仕掛けたり、もっと凶悪な妖怪になると、取って食ってしまう、などということがある。
 この『樫男』も、ずんぐりとした小人で、赤い鼻をして、赤い毒キノコのような帽子をかぶり、ちょっと見た限りでは恐ろしさは感じない。(中略)日本では柳の木の下に幽霊が出るなど、よく昔から言われたものだ。また、樫の木を植えると金持ちになるという地方もあるが、樫の木を不吉なものとする地方もある(高知県など)。
(2)『ポレヴィーク』野原の支配者、野の神、と言ったもので、ロシアで、妖怪というよりは神のような霊のようなものとされている。(中略)森の精霊はよく、人間、それも特に旅人などを道に迷わせて喜ぶが、『ポレヴィーク』もそうだ。自分の気晴らしのために、行き暮れた旅人を好んで道に迷わせる。(中略)そこで『ポレヴィーク』のご機嫌を取る方法も伝えられている。地面に穴を掘って、そこに卵を二つと、すでに鳴くことができなくなってしまったような年老いた雄鶏を一羽、いけにえとしておいておく、というものだ。だが、このいけにえと供え物の献上は、人目に触れてはならない。誰も見ていない時に、こっそりと行われなければならないのである。」

四、まとめ
 「魔神仔」は小さい時からもうよく聞いている。山に迷った人のことは全部「魔神仔」のせいにしている。事件の被害者は老人の方が多かった。もしかして、年齢のせいかもしれないが、やはり「魔神仔」の仕業だと思われている。山や森など、こういう自然については人間がよく知っていないから、「魔神仔」が存在するということになったと思う。それに、台湾の山の中は墓や神祠なども多かった。でも、世界各地でいろいろな不思議現象があるから、解釈が難しいだろう。
 私は専門の研究者ではないから、詳しいことはよくわからない。だが、台湾の昔話はやはり原住民のものの方が多かった。山や自然から学んだことと、習慣で、避けなければならないことも、次々出てきた。ところで、原住民は酒が好きだ。前はテレビの番組で、原住民の神話から出てきた小人について討論していた。本当に、その近くで小人みたいな白骨や、生活したような穴が出てきたらしい。それはまた別だが、やはり何かが存在しているだろうとみんなは信じている。だから、昔の人から残された経験や習慣など、皆は思わぬうちに生活してきた。
 うまく説明していないかもしれないが、私が知った限りのことを全部書いた。今回のレポートのおかげで、もっと台湾のことを知った気がする。授業を取ってよかったと思う。


 魔神仔については林美容「モシナの諸相」という講演がある。
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